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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.25 [2004年8月10日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

ETC利用者の84%が「次の乗り換えでも装着」
〜一度味わった便利さはヤメラレナイ〜
   ETCに対する世間の認知度は「94%」と非常に高い数値を示している一方で、高速道路の利用率は2割弱となっています。「夜間特別割引」などの道路公団による優遇措置期間が終了した現在、ETC普及率の動向を探るために、既にETCを装着している方々にアンケートを実施してみました。すると、インフラに対する不満が数多く聞かれた反面、「84%」の人が「次の乗り換えでも装着したい!!」という声が聞かれました。
※ETC = Electronic Toll Collection Systemの略
  目次
  ETCの現状〜利用率が伸びるも、まだまだ〜
既にETCを装備している方々に聞いてみました。
〜ETCを装着してみて分かった良いトコ/悪いトコ〜

言いたいことはあるけれど、84%が「次に乗り換える時もETCを付けたい」。
インタビュー:ETC取り付け関係者に聞く! ETC装着とクルマの買い替えの関係
ETC普及率UPのキーは「クルマの乗り換え」がポイント!!
ETCの現状〜利用率が伸びるも、まだまだ〜
 
■ETCの処理能力は、有人対応の約3.5倍!!
 慢性的な渋滞の原因を高速道路の拡幅工事だけでは解消し切れなかったため、平成5年に高速道路の抜本的なシステ ム改革の要求から研究が始まったのが「ETC」。@渋滞原因の30%が料金所で発生していることと、AETCが有人対応の 約3.5倍の処理能力を持つということからすると、ETCにかかる期待は研究開始当初から大きなモノでした。
 それから約10年が経過。ETCに対する世間の認知度は既に94%に到達し(日本自動車工業会調べ)、ETC車載器の普 及台数は今年6月末の時点で累計318万台を突破しました。
 
※有料道路における渋滞発生状況(日本道路公団調べ) ※料金所1レーンあたりの処理台数
 
■それでもETCを利用しているのは全体の2割弱にしか満たない
 この結果を受けて、国土交通省は2007年末までの普及率目標を50%から70%に引き上げることを発表。ちなみに、最新のETC利用状況調査(7月2日〜8日)では、全国で1日に約140万台が利用していることが判明しています。
 ただ、この数字は高速道路を利用した車の内のたった19.3%、およそ2割弱。平成13年末時点での調査ではたったの5万台で、利用率は1%にも満たなかったことを考えると、ここ2年半でこれだけの伸び率を見せたのは驚異的な数字ではありますが、当初の期待からすると「まだまだ」という感じが否めません。
 
ETC利用台数の推移(台/日)
ETC利用台数の推移(台/日)
既にETCを装備している方々に聞いてみました。
〜ETCを装着してみて分かった良いトコ/悪いトコ〜
 
「使ってみて、どこが良かった?」 from User’s voice
使ってみてどこがよかった? −所見−
ETCのメリットでやはり圧倒的な割合を占めたのが、「スムーズな料金所の通過」で過半数の55%。誰もが味わう料金所で の煩わしさが、どれほどドライバーのストレスになっているかが分かります。三番目に多い「渋滞での優越感」を含めると、 ETCがドライバーの精神的負担を減らすことに多大な役割を果たすことができることを物語っています。  また、中には「クレジットカードのポイントが貯まる!!」や「工賃のみのタダで付けてもらったから」「車内が盛り上がる」など、 ナルホドな、という少数意見もありました。
「使ってみて、どこが悪かった?」 from User's voice
−所見− 使ってみてどこが悪かった?
悪かった点の過半数を占めたのが「専用レーンが少ない」というブーイング。「高いお金を払って付けたからには、常に優越感を味わいたい」と思うのが心情ですが、まだまだインフラがそこまで整備されていないのがこの結果に表れています。
フリーコメントとして、
  うっかりカードを入れ忘れた時が大変!!
  ETCゲートに辿り着く前に渋滞しているから、意味がない
  ついつい高速に乗り過ぎてしまう
  「ゲートが開かないのでは?」という不安感が常にある
  専用レーンが端っこにある場合はスムーズに通れない!!
といったいろいろな意見があるように、ETCにはまだまだ細かい問題点を抱えていることが伺えます。
言いたいことはあるけれど、84%が「次に乗り換える時もETCを付けたい」。
 
■高額ハイカなき今、庶民にとってETCが唯一の味方。  
Q. アナタは次の乗り換えの時、ETCを付けますか?
Q. アナタは次の乗り換えの時、ETCを付けますか?
 
Q. 「付ける」と答えた理由は?(ナルホド・アンサー)
  ETCがある状態に慣れてしまったので
  財布を出す手間が省けるので安全運転ができる
  ついつい高速に乗り過ぎてしまう
  窓を開けなくていいので、冷房効率がいい!!
  優越感に浸りたいから
 使ってみた感想として様々なデメリットを挙げる声は多かったものの、「次の乗り換えの際にはETCを付けますか?」という質問には84%の人が「付ける」という回答をしました。
 確かに5万円の先払いで得ることができる8000円(※1)というのは、お小遣いの少ないお父さんや節約家の主婦の皆さんには決して小さく金額ではありません。かつては、そんなユーザーたちの味方であった「高額ハイウェイカード」がなくなった今、その恩恵に授かることができる唯一の手段はETCのみなのです。
■一度実感したらヤメラレナイ“便利さ” Priceless
 しかし、最も多かったのが“便利だから”という意見。料金所をストレスなく通過できるというメリットを一度味わった方々は、停止して、窓を開けて、財布を出して…というあの面倒くささを2度と体感したくないということでしょう。少数意見ではありますが、左ハンドルの方は特にその傾向が顕著に表れています。
※1:ハイウェイカードとETCの料金前払い割引施策について
高額ハイカ(例:50,000円券で58,000円分利用可能)と同等の優遇が、利用料金を前納することで可能とする制度。なお、偽造ハイカが出回るなどの問題を回避するため、高額ハイカ(50000円、30,000円券)は2004年2月末をもって利用中止となっている。そのため、ハイカの残高をETC前払割引に付け替えるサービスも同時に行われている。
ETC取り付け関係者に聞く!! ETC取り付けとクルマ乗り換えの関係
 
大手カー用品店に聞いてみました!!
■中古車ユーザーのETC装着動向
 ETCは平日で10〜20台、土日で40台以上の取り付けをするほどの人気ですね。装着する理由をお聞きすると、意外にも「高速で悔しいから」という人が多いんですよ。車種別では、当店(東雲店)はスバル車に特化した店舗のためスバル・レガシィのユーザーが多いのと、東京23区内と言う土地柄か高級輸入車ユーザーの方が比較的多いのが特長です。新車の方はディーラーでオプションを装着される傾向にあるため、当店では中古車を購入してすぐにウチに来られるという方のほうが多いようです。
■新たな付加機能に期待
 お客様がETCを買われるかどうかのキッカケは「愛車の乗り換え」がポイントになってきていますね。既に新車購入時でのETC装着は増える傾向にあるので、今後は中古車ユーザーの装着率をいかに増やしていくかが課題でしょう。そのためには、高速料金の支払いだけではない「新たな機能の付加」にもアフターパーツ業界としては期待しています。
スーパーオートバックス
TOKYO BAY東雲
浅野光昭さん
 
新車ディーラーに聞いてみました!!
■乗り換えの1/3の方が装着していますね
 新車購入時にETCを装着しようと考える人は増えているのですが、もっと多いのは納車後に「やっぱり付けたい!!」と言って再び来店される方ですね(笑)。

 今はお乗換えの約1/3もの方がETCを装着されますが、中でも人気ミニバン、オデッセイの場合、ほとんどの方がETCを装着されているのは特長的です。ほかに同じくミニバンのステップワゴンでも同様の傾向が見られます。家族や仲間をたくさん乗せる機会が多い、つまり高速を多く利用するような方がETCを購入している、という訳です。ただ、年に数回しか高速に乗らないとおっしゃる方でも、最近は多く付けていらっしゃいますよ。

 金額的には下は2万2千円(工賃やセットアップ込)から高額なナビ連動タイプまでありますが、必ずしも廉価版が売れるワケではありません。カーナビと同じで、「買うからには見た目や機能が充実した物」をご希望されますね。
ホンダプリモ日高 毛呂山店  営業担当
鍛冶雅人さん
ETC普及率UPのキーは「クルマの乗り換え」がポイント!!
 
 現在、普及率が標準装備並みに拡大している自動車用品といえば、カーナビ(カーナビゲーションシステム)があげられます。ユーザー自ら装着するのには非常に手間がかかることから、カー用品店で装着したり、新車、もしくは中古車乗り換えの際にオプション装備として取り付けるケースがほとんどです。
 同じことはETCにも言えます。ETCは技術的な要件などから、一連の取り付け・セットアップ・手続き等が出来る指定店でないと装着することが出来ないからです。先の販売現場の声からも明らかなように、新たにクルマを購入するついでに取り付けてもらうことで、手続きの類は乗り換えとセットでいっぺんに済まし、よりラクに装着してしまおうという訳です。
 
ETCの購入動機と購入時期の関係
ETCの購入動機と購入時期の関係
 
上のグラフは「ETCの購入動機と購入時期の関係」についてを調べたものです。
 面倒な手続きを踏んでまでも、わざわざETCの購入・取り付けをしたのは利便性を重視するため(「料金所の支払い」)とした割合が、2年以上前から装着している人では48%いました。これに対しここ最近でETCを装着(6ヶ月未満)した人の場合では、これが32.1%にまで下がり、代わって2年前にはなかった「機器本体の値下げ」「店員のススメ」といった理由が上がってきたのが特長です。

一方、「クルマの買い換え」と同時に取り付けをしたのが、装着2年以上の人では8%だったのに対し、半年未満のユーザーになると、15.4%にまで割合を高めています。近年のユーザーにとっては、車の買い換え「ついで」にETCも取り付けるものだ、というスタンスがここでも読んで取れます。
 今後、新たにETCの装着を狙う層にとっても「装着は乗り換えのタイミングで!!」というのが大きなトレンドになっていくと予想されます。
 
スーパーオートバックス東雲店のETCコーナー
スーパーオートバックス東雲店のETCコーナー。機能やデザインで様々な機種が選べるようになってきた。
ガリバー自動車流通研究所 佐藤 誠 研究員 ガリバー自動車流通研究所
佐藤 誠 研究員
 まだETCの恩恵を味わったことのない私ですが、今回のアンケート結果を拝見して「ETCってそんなに便利で優越感に浸れるものなのか!!」と、思わず購入してしまいそうになりました。ただ、現在の高速道路の使用頻度だと自分にはまだまだ早計。次の乗り換えの時に考えてみようと思います。
 ちなみにホンダプリモさんによると、「カードの発行に時間がかかるので、とりあえず先にETCカードだけ作る人」が結構いるようです。いずれもっと機器が安くなるだろうと考えて、もう少し待ってみようと思っている人もまだまだ多いようです。
 オートバックスさんでも、「カー用品なので、“お金を払えばスグに取り付けてもらえる”と思っている方が意外に多い」そうです。クレジット決済を利用する為カードを作らなければならず、中には審査に通らずにETCが利用できない方もいるようです。機器を買って工賃を払えばすぐ装着できる、というモノではないのが、他のカー用品と違う点。こうした面倒くささも、乗り換え時に一緒に済ますことができるというのも、ポイントと言えるでしょう。
 
■取材協力
・スーパーオートバックス TOKYO BAY東雲
ホンダプリモ日高 毛呂山店
■調査協力
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