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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.17 [2003年12月16日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

エコカーは本当にエコカーか!?
〜注目したいエコドライブ〜
  2003年11月5日に「第37回東京モーターショー」が閉幕しました。来場者142万人と、12年ぶりに前開催の入場者を上回る例年にない盛況ぶりでした。その中でも注目されたのが、「エコカー」と呼ばれる燃料電池車やハイブリッドカーでした。
そこで、ガリバーではエコカーと呼ばれるものをユーザーが使用した場合の実質的な燃費で集計し、エコカーがエコカーとして機能しているかどうかを検証し報告します。
  目次
  エコカーの定義と、ユーザーの実走行燃費
エコカーのカタログ( 10.15モード)燃費とユーザーの実燃費の差
「〜大切なのはエコドライブ〜」
エコカーをユーザーはどう思う?
エコカーの定義と、ユーザーの実走行燃費
 
 国土交通省の発表によると、2003年度上期のエコカーの登録台数は新車販売全体(軽を省く乗用車)の64%と増加しています。エコカーと呼ばれる車は、燃料電池車やハイブリッド車に代表される「低燃費」・「低排出ガス」を兼ね備えた車のことで、☆によりランク付けされ低公害車とも呼ばれています。最近発売される車の殆どがこの低公害車ということで、増加の後押しをしているようです。
 では、このエコカーは本当にエコカーかどうか?エコ=環境と考えると、クリーンな排気ガスと少ない燃料消費を実現できることが必要となってきます。そこでガリバーでは、一般に差があると言われているカタログ燃費(10.15モード燃費)と実燃費(ユーザーが実際に使用した場合の平均燃費)を比較し、ユーザーの使用方法が環境に影響しているかどうかを検証します。
エコカーのカタログ( 10.15モード)燃費とユーザーの実燃費の差
 
@カタログ( 10.15モード)燃費ランキング
ランキング メーカー名 車名 燃費(km/L) 排気量(cc)
1 トヨタ プリウス(ハイブリッド) 35.5 1,496
2 ホンダ インサイト(ハイブリッド) 35.0 995
3 ホンダ シビック ハイブリッド 29.5 1,339
4 トヨタ ヴィッツ 25.5 1,296
5 ホンダ フィット 23.0 1,339
6 ダイハツ ストーリア 21.5 989
7 日産 マーチ 21.0 1,240
8 ホンダ フィット アリア 20.5 1,339
9 三菱 コルト 20.0 1,343
10 トヨタ プラッツ 20.0 1,496
データ元:221616.comクルマカタログ
 
Aユーザー使用平均燃費
ランキング メーカー名 車名 燃費(km/L) 排気量(cc)
1 トヨタ プリウス(ハイブリッド) 35.5 1,496
2 ホンダ インサイト(ハイブリッド) 35.0 995
3 ホンダ シビック ハイブリッド 29.5 1,339
4 トヨタ ヴィッツ 25.5 1,296
5 ホンダ フィット 23.0 1,339
6 ダイハツ ストーリア 21.5 989
7 日産 マーチ 21.0 1,240
8 ホンダ フィット アリア 20.5 1,339
9 三菱 コルト 20.0 1,343
10 トヨタ プラッツ 20.0 1,496
データ元:221616.comユーザーレポート
5件以上投稿があるものから抽出
 
 カタログ(10.15モード)燃費では小型のハイブリッド車が上位を独占しました。しかも上位2車は4位以下を10Km/L程引き離しての数値だけにインパクトは強いものです。また、ユーザー使用平均燃費では、カタログ(10.15モード)燃費と同じくプリウスが1位となっています。つまり、ハイブリッド車が燃費面で有利なことは、ユーザーの平均燃費でも証明されたことになります。
 しかし、上の2つのグラフを比較すると、カタログ(10.15モード)燃費とユーザー使用平均燃費の上位ランク車が違っています。「ホンダ インサイト」など市場にあまり出回っていない車は、ユーザーレポートの投稿数も少ないため、今回ランキングに入れていませんが、トヨタ・ホンダ以外のクルマがランキングから外れてしまっている点に注目です。では、ユーザーレポートを元にユーザー毎の差を検証してみます。
 
B実燃費ランキングトップ10のユーザー毎の燃費の最大と最小
メーカー名 車名 平均燃費 最大燃費 最小燃費
トヨタ プリウス(ハイブリッド) 18.2 24.0 12.0 12.0
トヨタ ヴィッツ 14.2 21.5 10.0 11.5
トヨタ WiLL サイファ 14.0 18.0 12.0 6.0
ホンダ フィット 13.9 24.0 10.0 14.0
トヨタ アレックス 12.7 15.0 8.8 6.2
トヨタ イスト 12.4 15.0 8.0 7.0
トヨタ カローラ フィールダー 12.3 14.0 11.0 3.0
トヨタ ファンカーゴ 12.0 16.0 10.0 5.0
トヨタ ラウム 11.8 15.0 8.0 7.0
ホンダ モビリオ スパイク 11.8 13.5 10.0 3.5
データ元:データ元:221616.com
 ユーザーの平均燃費は、そのユーザーの走り方・使い方(同乗者や荷物の有無など)・道路環境(渋滞・信号待ち)などにより様々です。そこで、ユーザー使用燃費の最大値と最小値を平均燃費のトップ10で検証すると、車種によっても差がありますが、大きい物では10km/L以上の差が出ています。特に差が大きいのは、省燃費で定評のある車に多く見受けられるようです。逆に、「トヨタ カローラフィールダー」など、1500ccクラスのクルマの方は、あまり大きな差が出ておらず、使用環境の差による影響は少ないようです。
「〜大切なのはエコドライブ〜」
 
 エコカーといわれる車はユーザーの使用平均燃費も高く、実用燃費から考えてもエコカー(=環境にやさしいクルマ)です。しかし、Bの表にある実燃費の差では、エコカーとして有名な車の方が、ユーザーの違いによる燃費の差が大きくなっています。ここから判断すると、相対的に1500ccクラスのトルクが太い(エンジン低回転でもパワーが出ている)クルマは、ユーザーの実用的な走行条件でも燃費面でのロスが少ないといえるようです。同じような走行条件を、エコカーといわれるコンパクトカー(1000〜1300ccクラス)で行おうとすると、トルクが細い(エンジン低回転時のパワーが少ない)ため、エンジン回転数を上げないと同じような走りができず、高回転=燃焼ロスが多くなり、10.15モード燃費との乖離が多くなってしまうようです。
 Aの結果から、エコカーは本当にエコカーといえるクルマですが、使い方によっては燃費の差が多くなるともいえるようです。エコカーをエコカーとして使い、日本の空気をきれいに保つためには、エコドライブ(急発進などはもとより、不要なアイドリングなどを控えた運転方法)を身につけることが大切です。
「エコカーをユーザーはどう思う?」
 
 ユーザーが自動車購入の際に気になるポイントとして燃費があげられますが、一般に購入する際に参考にできるのはカタログなどで参照できる10.15モード燃費というものです。これは、定められた条件下で計測した燃費であり、必ず到達できる燃費ではありません。
 ガリバーが運営するクルマ情報Webサイト「221616.com」上の「ユーザーレポート」のコーナーでも「燃費」に対する投稿を行うユーザーは全体の30%以上あり、関心度合いの高さが伺えます。しかも、その燃費に関する投稿のうち約2/3のユーザーが燃費が悪いと考えており、ある意味エコカーの要望・ニーズが高い証拠ではないでしょうか。
 日産では新型「ブルーバードシルフィ」で、新基準である「☆ ☆ ☆ ☆」を2004年1月に行われるマイナーチェンジで取得することを目標とする発表を行うなど、各社でエコカーの開発は過熱してきているようです。しかし、ユーザーの声を拾う限り、多くのユーザーはまだ燃費に不満と考えており、10.15モード燃費の計測方法を変えることや、ユーザーがエコドライブを身につけるなどの改善が図られなければ、ユーザーのニーズを100%満足させる事や、クリーンな環境に変えていく事は難しそうです。
自動車流通研究所 所長 鈴木 詳一写真
自動車流通研究所
所長 鈴木 詳一
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