 Vol.16 [2003年9月12日発行]

| 経済効果6000億円以上の行方 |
| 〜阪神タイガース優勝で車は売れるのか〜 |
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18年ぶりの優勝で沸き返る阪神タイガース。阪神タイガース優勝による経済効果は、関西だけでも1000億円、全国では最大で6000億円以上と言われています。
今回は、ガリバー自動車流通研究所が、自動車産業における阪神タイガース優勝での経済効果をレポートします。 |
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阪神タイガース優勝で飲食・グッズの売れ行きが、自動車の生産誘発まで及ぶのか |
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全国のトラファン1500万人 (*) が勝利に酔い、ついつい財布のヒモがゆるむ、その経済効果は最大で約6355億円に及ぶと言われています。平成8年の長嶋巨人の「メークドラマ」での優勝で約 515 億円 (*) 、平成11年の読売巨人軍対福岡ダイエーホークスのON決戦で約2410億円 (*) とも言われていますから、ケタ違いの数値です。
UFJ総合研究所によると、阪神タイガース(以下:阪神)優勝最大の効果となるのは、飲食関連費。1人当たり1万円の追加支出により、なんと約1500億円の効果があり、さらに、グッズの新規購入約250億円、優勝セール約62億円など直接的な消費だけでも、約1848億円の効果が期待できると言います。野球界空前絶後の経済効果。これらの経済効果が、果たして自動車の生産誘発にまで及ぶのか?今回はこれをテーマにレポートします。 |
| *データ元 株式会社阪神タイガース等 |
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昭和60年前後の自動車販売台数の推移 |
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| @昭和59年〜昭和61年迄の自動車(乗用車)販売台数推移 |
| 【全国】 |
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普通車 |
小型車 |
軽自動車 |
計 |
| 昭和59年 |
82,068 |
2,819,940 |
193,546 |
3,095,554 |
| 昭和60年 |
73,539 |
2,869,527 |
161,017 |
3,104,083 |
| 昭和61年 |
81,178 |
2,926,590 |
138,255 |
3,146,023 |
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| 【関西2府4県】 |
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普通車 |
小型車 |
軽自動車 |
計 |
| 昭和59年 |
18,508 |
415,061 |
28,767 |
462,336 |
| 昭和60年 |
16,340 |
423,070 |
25,642 |
465,052 |
| 昭和61年 |
16,523 |
436,703 |
23,201 |
476,427 |
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| 単位:台 |
| データ元:日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会調べ |
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| A昭和59年〜昭和61年迄の新規・代替・増車別販売台数 |
| 【年別 新規購入・代替・増車台数】 |
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新規 |
代替 |
増車 |
計 |
| 昭和59年 |
845,954 |
1,881,723 |
100,088 |
2,827,765 |
| 昭和60年 |
883,406 |
1,913,255 |
103,088 |
2,899,749 |
| 昭和61年 |
885,023 |
1,956,762 |
98,414 |
2,940,199 |
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| 単位:台 |
| データ元:日本自動車工業会調べ |
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新車販売台数を、全国・関西地区共に検証してみたところ、前回の阪神優勝時(昭和60年)前後では、阪神優勝による効果は特にないと言えます。また、新規購入・車の代替・増車(増車は、すでに自動車を保有しているが、新たに2台目以降を増車すること)のデータも調べてみたところ、若干の差があるものの、ほぼ前年・後年と差のない結果となっています。
この結果を踏まえると、阪神優勝による経済効果は自動車業界までは及びにくいということが言えるのではないでしょうか。 |
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| BGDP・GNIの推移と、優勝との関連 |
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国内総生産(GDP) |
GDP前年比 |
国民総所得(GNI) |
GNI前年比 |
| 昭和57年 |
277,653.6 |
4.94% |
277,907.5 |
5.15% |
| 昭和58年 |
290,298.8 |
4.55% |
290,810.3 |
6.64% |
| 昭和59年 |
310,432.2 |
6.94% |
311,216.0 |
7.02% |
| 昭和60年 |
330,968.9 |
6.62% |
332,213.7 |
6.75% |
| 昭和61年 |
345,852.4 |
4.50% |
347,138.4 |
4.49% |
| 昭和62年 |
362,603.6 |
4.84% |
364,791.8 |
5.09% |
| 昭和63年 |
388,661.3 |
7.19% |
390,892.6 |
7.15% |
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| 単位:10億円 |
| データ元:内閣府経済社会総合研究所編「国民経済計算年報」 |
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| こちらからも、阪神が優勝したからといって、特別な数字の変動が起きているわけではないというのが、データから分かるかと思います。過去3度の優勝時は、その後にいざなぎ景気・バブル景気が到来しましたが、優勝した年にGDPが急増したというわけではありません。ですので、今年に関しても阪神が優勝したからといって、それがGDPの急増に繋がるというわけではないと考えられます。 |
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阪神優勝の影響は自動車にはマイナス |
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| 今回のレポートをまとめると、阪神が優勝することによる経済効果は、最大6000億円以上とも言われますが、実際には、阪 神タイガースファンを中心に、阪神関連の商品やサービスで消費しているようです。上の国民総所得と国内総生産の関係を見ても、収入以上の消費はしないのが現状です。国民の財布は一つ。余計に使った費用は、ほかの消費が削られると事と なるようです。つまり、阪神タイガース優勝によるプラスアルファの効果よりも、野球関連など一部の産業においてプラスとなり、他の業界においてはマイナスとなることが考えられます。 |
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「今後の自動車業界は?」 |
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阪神優勝など、自動車業界に関係のないところから、自動車の販売が伸びるかどうかと言うと、結論は「関係しない」となりました。しかし、今年は10月に東京モーターショーが開催され、自動車業界にも明るいニュースが見えています。
東京モーターショーでは、各メーカーが技術とアイデアを結集し、近未来的な車を出展しますが、すぐに発売されるモデルなどもあり、ユーザーにとっては見逃せないイベントとなっています。モデル別に売り上げ台数の集計を取ると、発売後数ヶ月が最も販売台数が伸びるため、注目を集めるこの時期に発表される車が多くなると考えられます。
ほぼ昨年並みと伸び悩む自動車業界においては、阪神優勝の恩恵よりも、東京モーターショーでの市場の回復が望まれるところです。 |
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自動車流通研究所
所長 鈴木 詳一 |
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