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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.15 [2003年8月11日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

自動車NOx・PM法
〜ディーゼル車はどうなった?〜
   自動車NOx・PM法が平成14年10月1日に施行され、1年近くが経過しました。施行前から、ディーゼル車などの売れ 行きが懸念され、人気の下降がささやかれています。
 ガリバーでは今回、自動車NOx・PM法施行後に、ディーゼル車の人気傾向に変化が起こっているかどうかをレポートいた します。
  目次
  自動車NOx・PM法とは
ガソリン車とディーゼル車比較〜「ハイラックスサーフ」の平均買い取り価格の比較〜
ガソリン車とディーゼル車比較〜「キャラバンエルグランド」の平均買い取り価格の比較〜
ディーゼル車とガソリン車の人気が逆転
「ユーザーは環境問題に敏感?」
自動車NOx・PM法とは
 
 NOx・PM法とは、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域(首都圏・愛知・三重・大阪・兵庫の指定市区町村:以下対策地域)に指定された地域で、トラック・バス等(ディーゼル車、ガソリン車、LPG車)及びディーゼル乗用車に関して特別の窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準を定め、窒素酸化物及び粒子状物質の排出量が基準値を超える車の使用を、特定地域において禁止する法律です。簡単に説明すると、排気ガスが規定よりも汚れている車は、対策地域において登録ができなくなるということです。
また、東京・神奈川・埼玉・千葉では、規制に合致しない車は、 2003年10月より通行を禁止する条例(ディーゼル車規制)が実施されます(対象は営業用途として多いバン / トラック / バスなどになります)。対策車でないと、首都圏を走れなくなってしまうのです。
対策済みの新車は問題なく使用できますが、それ以前に販売された中古車はどうでしょうか。年式により今後使用できる車と、できない車が出てきますので、中古車の人気にも影響が及ぶことが考えられます。
そこで今回ガリバーでは、対策前のディーゼル車の人気に変化が起こっているかどうかをレポートします。
ガソリン車とディーゼル車比較
〜「ハイラックスサーフ」の平均買い取り価格の比較〜
  グラフ
  データ元:株式会社ガリバーインターナショナル
  *1999年式ハイラックスサーフの平均買い取り価格。条件:色・走行・車の程度を同一ものとした場合の平均買い取り価格の推移。
 
まずはディーゼル車の比率の多いSUVから検証すると、「トヨタ ハイラックスサーフ」の平均買い取り価格の推移は、規制前の2002年6月を境に、ディーゼル車と、ガソリン車の平均買い取り価格が逆転している点に注目です。リセールバリュー(新車価格からの値落ち率)で換算しても、ディーゼル車の方が人気が高く、値落ち率が低かったものが、2002年6月位を境にガソリン車の方が人気が高くなり、ディーゼル車と値落ち率が逆転してしまっています。
このような現象は、他のSUVでも見受けられています。
ガソリン車とディーゼル車比較
〜「キャラバンエルグランド」の平均買い取り価格の比較〜
  グラフ
  データ元:株式会社ガリバーインターナショナル
  *1999年式キャラバン エルグランドの平均買い取り価格。条件:色・走行・車の程度を同一ものとした場合の平均買い取り価格の推移。
 
中古車では、ミニバン・1BOXワゴンなどもディーゼル車の比率が高くなっています。そこで、ミニバンの中から、「キャラバンエルグランド」のガソリン車とディーゼル車の平均買い取り価格比較してみたところ、2002年春を境に、ディーゼル車の人気が下降しています。ディーゼルの比率の高い、SUVやミニバン・1BOXワゴンなどは、全般的にディーゼル車の人気が下がっていると言えそうです。
ディーゼル車とガソリン車の人気が逆転
 
今回例としてあげた 1999年式「ハイラックスサーフ」「キャラバンエルグランド」は共に、2008年の車検満了日まで対策地域で使用でき、首都圏のディーゼル車規制にも触れないため、実質的には当面の間そのまま使用できる車です。それが、このような結果となったのは、ユーザーが環境問題に興味を持ってきたことと、各メディアが、規制に対する 報道を行うことによって、ユーザーが不安になっていることなどがあげられ、ディーゼル車を購入の対象からはずしているのではないでしょうか。
「ユーザーは環境問題に敏感?」
 
ディーゼル車は、過去には「燃費がいい」「燃料代が安い」「低回転での力がある」などと、大型のSUVや1BOXワゴン車で人気が高い商品でした。しかしそれが、環境問題などから法規制され、ユーザーのディーゼル車離れが起こっているようです。その一方では、「やっぱりディーゼル車の方が・・・」という声も聞かれ、環境問題まで検討してガソリン車にされているユーザーばかりではないようです。
ヨーロッパでは、小型車においても販売のおよそ半分がディーゼル車という国があります。これは、以前より環境対策に取り組んでいるヨーロッパ諸国では、ディーゼル車の排気ガスも日本よりクリーンなものとなっています。また、地球温暖化問題で、CO2の排出が少ないディーゼル車の方が推奨されており、今後もディーゼル車の比率が増加していくようです。日本でも、クリーンな排気ガスのディーゼルエンジンの開発が進むと、ディーゼル車の人気は復活するのではないでしょうか。
自動車流通研究所 所長 鈴木 詳一写真
自動車流通研究所
所長 鈴木 詳一
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